先日、渋谷にあるラチュレに行ってきました(2018年7月)。
かなり前に、こちらへ移転前の、神南で店名がDECOだったときに何度か行ったことがありましたが、ずっとご無沙汰していました。
移転して少しゴージャスになり、とても評判も良かったので、行ってみることにしました。
青山学院大学のすぐ近くの渋谷2丁目という比較的落ち着いた地域にあります。
地下へ降り、ドアを開けると、シンプルですごく清潔感のある、おしゃれな空間でした。
私たちは、カウンター席へ案内されました。
お店の内装は、一見とてもシンプルに見えましたが、テーブルについたところから、ただならぬこだわりが伝わってきました。
まず、テーブルのデコレーションからして個性的でした。真ん中に野生の草花のドライフラワーを飾ってガラス張りになっているプレートが置かれています。森を連想されるような効果がありますね。
また、これは嫌悪感を持つ人がいるかもしれませんが、アナグマの頭蓋骨がオブジェとして、カウンターに飾られていました。さすが、ジビエが人気のお店なので、一味違います(笑)。
この日は、せっかくなのでスペシャルコースのほうにしました。
まず、アミューズが3品でてきました。一品目は鹿のブラッドマカロンです。
写真のように、鹿の毛皮の上に置かれて出てきます。いきなりのインパクトある演出です。
食感はお菓子のマカロンとほぼ同じなのですが、中にサンドされたものはブータンノワールと似た感じの味がします。こういう味のものをマカロンにするというのは斬新ですよね。味ももちろんおいしかったです。
2品目はアナグマのリエットです。こちらも一見デザート風にみえるという演出がされていて、おもしろいです。アナグマなので、森をイメージして木の上に置かれているのでしょうか。細かい演出で目にも楽しませてくれます。シュー生地にリエットがサンドされ、手で一口でいただきます。
3品目のアミューズですが…
キノコ辞典のような本が置かれました。開いてみると…
このように器になっていました。
プルロット(平茸)と自家製猪のベーコンのタルトレットです。
イノシシのベーコンだけに、強い風味がツンときますが、その臭みもまたおいしく、キノコやタルトとの相性もばっちりで、とてもおいしかったです。
普通はアミューズといえば1品だけのところが多いと思いますが、3品もあり、ここまでだけでもおいしく楽しめる内容だったので、期待が高まりました。
次が前菜2品です。
こちらのメニュー名は忘れてしまいました(汗)。器にウミガメとキノコとトリュフが盛り付けられたものが出され、お店の方が、温かいコンソメスープの入った黒い急須をもってきて、食べる直前に注いでくださいます。
ウミガメというのは初めて食べましたが、あまり強い味ではなく、コラーゲンのようなプルプルした食感でした。とにかくコンソメスープが香りがよく、さっぱりしていながらコクがあり、濃厚な味わいで、他の具材を引き立てていました。
前菜2品目は、テリーヌのタルト仕立てです。このお店の定番人気の一品です。
鹿、熊、猪の3種の肉のテリーヌに真ん中はフォアグラ、上辺にコンソメジュレが挟み込まれ、外側はタルト生地に包まれています。癖の強い肉のテリーヌはほどよい臭みがあり、コンソメジュレ、フォアグラと、食感の違う3つの味がうまく合わさります。
次はいよいよメイン2品です。
1品目は、アワビのパイ包み焼きです。
私はアワビのおいしさが未だによくわからないのですが、こちらは、おいしくいただけました。アワビがパイ包みにされているというのは珍しいのではないでしょうか。また、肝もいっしょに包み込まれていて旨みが増し、さらに焦がしバターソースが絶妙のおいしさでした。
最後のメインはお肉料理です。当日、届いたばかりの十勝産(?忘れてしまいました)の牛肉でした。
付け合わせはヤングコーンです。赤味の肉でしたが、肉の旨みが濃く、しっかりした味でした。赤味のわりに柔らかく、旨みが強いながらも脂っこくなくさっぱりしていました。吟味された良い肉を食べたという感じがしました。
デザートですが、こちらも季節のメニューで名前を忘れてしまいましたが、キャラメル、チョコレート、コーヒーなどが混ぜられた重層的な味わいの冷たいムースでした。とてもおいしかったです。最後まで手の込んだ抜かりのない味でした。
お茶菓子は、熊の脂で作ったフィナンシェです。熊の脂というのはよくわかりませんでしたが、焼きたて熱々で、すごく香ばしくておいしかったです。お茶菓子まで完璧でした。
食後の飲み物は、さっぱりしたものが欲しくなり、ハーブティーにしました。
すべての料理で、いろんな工夫が施されていて、こちらを楽しませようというサービス精神がすごく感じられました。丁寧に作られていて凝っている上に、とても私の好みの味でした。
コース料理だと、どこかでがっかり点が出てくることが多いですが、こちらのコースはアミューズからデザートまで大満足でした。
なお、夏に訪問したため、この時はジビエは食べることはできませんでした。
DECOの時にこちらのジビエはいただいており、味は間違いないのはわかっているので、今度はぜひその季節に再訪したいなと思っています。