2022年に13年勤めた会社を退職し、セミリタイア生活(無職生活ともいうw)に入りました。
以前は、一般的な定年の60歳くらいまでは働くと思っていました。
ところが不思議なもので、そうなるべくしてなるように色々なことが重なり、当初の予定より8年ほど早く、半ば強制的に退職するに至りました。
最近ではFIREとかセミリタイアとか、そういったものがブーム的な感じもありますが、私の場合、それほど楽しい決断ではありませんでした😢。
それでも、現在は少しずつ前向きにリタイア生活を送れるようになってきています。
今回は、私が退職を決断するに至った経緯と、これまでに実践した節約や投資のことを書きたいと思います。
これからセミリタイア生活を始める人の参考になれば幸いです。
退職を決心したきっかけ
退職を考え始めたときから実際に退職するまでは約2年ほどあったと思います。
それまでに段階的に色々なことが重なっていきました。
会社の先行き不透明感が強まった
最初のきっかけは会社の先行き不透明感が強まったことからでした。
元々、社員が5人にも満たない零細企業でしたが、細々ながら堅実な経営で創業50年近くにもなっていました。
ところが、ワンマン経営で通してきた社長は80歳近くの高齢になっているにもかかわらず後継もないままで、しかも軽度の認知症も入ってきていました。
それでいて、ずっと究極のトップダウン方式(笑)でこちらに決定権がほぼないため、業務に差し支えることもしばしば出てきてしまいました。
斜陽産業なことも相まって、おのずと業績もガタ落ちでした。
このような状況になると、社長の人望が皆無だったこともあり、私よりも社歴の長いエース級の社員が泥舟から逃げ出すように次々に辞めていき、あれよあれよという間に私が一番の古株になってしまいました。
私は泥舟に最後まで残ってしまったわけです。
その後、社長が少しでも経営方法を改善するなり、私に対する待遇を見直すなどの見込みがないか、様子をみてみました。
しかし、結果は予想通りの見事なゼロ回答でした。
社長は、次々と人が辞めていくにもかかわらず、その理由も省みず、ただただ漫然と同じようなやり方を押し通しました。
一方で、辞めた人が持っていた細々とした業務の責任は全て私に押しつけられた上に、評価も給与も全く上がりませんでした。
この状況になってからは早い段階で辞める方向で考えていました。
加えて、社長の認知症が進むか病気で倒れるかすれば、退職金(わずかですが😅)がもらえなくなりそうだったことが、決断の後押しをしました。

今は、こういう後継者のいない高齢経営者の中小企業ってかなり多いんでしょうね。
スキルの頭打ちとモチベーションの低下
会社の状況悪化は退職の一番の要因ではありますが、それと同時に、スキルアップが見込めないという感覚に陥っていたことも要因の1つではあったかもしれません。
50代にもなると、モチベーションが急激に下がる感覚は共感してもらえる人も多いかと思います。
特に私の場合は、上記のような先の見通しが立たない会社で、新しい仕事を開拓するとかスキルを上げるとかいう気持ちには到底なれず、モチベーションが完全になくなっていました。
会社のせいばかりにせず、もっとやりようはあったのかもしれませんが、私にはバイタリティが足りませんでした。
それが能力不足といわれればそれまででしょう。
ルーティーンの仕事に関しては、元来の真面目な性格もあり😅、淡々とこなしていました。
でも、ひたすら現状維持のかたちを繰り返すのみで、全く進歩のない毎日でした。
そして、この状態を続ければ、10年経っても全く何も変わらないだろうと確信していました。
毎日同じことを繰り返して楽に過ごせるならそのまま会社に居ればいいんじゃないの?と思われそうですが、そうは問屋が卸しません。
傾いた会社の一番の古株として、責任を伴う煩雑な仕事など、生産性のない無駄な労力が増えるばかりの毎日でした。
労力と給与はますます見合わなくなり、また年齢を重ねるごとに、同じことをするにも疲労感は大きくなっていました。
毎日絶望感に陥っていました。

「静かな退職」とかいわれていますが、私にはちょっと無理でしたね。
実際のところは、能力のある限られた人にしかできない技だと思います。
お金の見通しがついた
先ほど「スキルの頭打ち」とは書いたものの、やり甲斐とかスキルアップとかは、それほど望んではいませんでした。
この年齢で、しかも現状の仕事の中でそれを望むのは難しいことだとはわかっていましたので、ほぼ諦めていました。
ですので結局のところ、会社員を続ける一番のメリットは毎月定額の収入が入ってくるとことだと思います。
零細企業ではありましたが、50歳を過ぎても正社員で働き続けられていたことだけは恵まれていたと思います。
それでも会社の逼迫した状況に加えモチベーションの低下で、他人からみれば甘えと捉えられても、当事者としては、限界に達していました。
こんな状況の場合、若い時であれば、収入源を維持するためには現状の会社で頑張るか、転職を試みることになると思います。
しかし、私の場合は50歳を過ぎていましたので、そう簡単にはいきません。
そこで、現在の我が家の資産と、今後の支出についてざっくりと計算してみました。
今までは、そういう計算は全くしてこなかったので、意外だったのですが、「何とかなるんじゃない?」という結論に達しました。
節約に徹していくことは大前提ですが、私が無職でも何とかなりそうでした。
それがわかった時点で「もうここで仕事はひと区切りにしていいかな」という気持ちに落ち着きました。
このような決断ができたのは、現時点では夫が働いてくれているという安心材料があることが大きいのも事実です。
ただし、夫の仕事事情を聞いてみても不安定なところもあり全く安泰というわけではありません。

もしも本当に困ったら、その時に考えようと思います。
その際には仕事は選んでいられないでしょうし、それは覚悟しなければと思っています。
健康寿命はそれほど長くないことに気づいた
最終的には、これが退職の総括的な理由になったのかもしれません。
2019年度の厚生労働省の調査では、 女性の健康寿命は約75歳(平均寿命約87歳) 男性の健康寿命は約73歳(平均寿命81歳)と報告されていました。
私の場合、健康寿命を全うするまで残り23年です。
23年前に何をしていたかと考えてみると、結構最近の記憶になるんですよね。これには愕然としてしまいます。
しかも、今後、年を取れば取るほどさらに時間の経過は早く感じるだろうと思います。
一方、もし一般的な定年の65歳まで働いたとすれば、健康寿命まで、10年しか残されていません。これをどう考えるかですね。
好きな仕事をされている方が定年まで全力投球するのは、それはそれで充実していて羨ましくもあります。
でも、私の場合はその希望はすでに断たれているわけです。
そうであれば、残りの人生がどんなものになるにせよ、時間を100%自分でコントロールしたいという気持ちに突き動かされました。
そして、少しでも長く、健康で自由に過ごせる時間が欲しいと思うようになりました。
もし、後で自分の選択に後悔することがあっても、会社のせいや人のせいにすることは避けられると思いました。
現時点では65歳で定年退職をする人より、13年前倒しで自由時間を獲得できていることになります。

こうして得た自由時間をどれだけ有意義に過ごせるかが大きな課題であり、楽しみでもありますね。
退職するにあたって始めた節約と投資
退職を決断する前から、節約と投資については考え始めていました。
潜在的に何か危機感を感じていたのかもしれません。
節約法10選
このブログのサブタイトルにもあるように「ミニマルな生活」というのは目標でもあり、退職後の生活には不可欠になります。
私のように今後も収入アップが見込めない場合は最大限まで生活費を下げる努力が必要です。
以下に、私がこれまでに実践した節約を10点挙げてみました。
退職前からやったものと、現在やっているものが混じっています。
結果として月当たり合計で約15000円の節約につながりました。

節約に一番貢献したのは、やはり固定費の削減です。まずはそこから始めることをお勧めします。
医療保険の解約
私が加入していた、こくみん共済の医療保険を解約しました。一度も保険が下りたことがないのに、月3400円は大きいと思ったからです。
何か病気にかかったらヤバいのでは、と思われるかもしれませんが、いざという時には貯金から払えばいいと思います。
保険を払い続けるよりも、事後対応の方が節約できる可能性はずっと高いんじゃないかと思います。
また日本は高額医療費制度というものもありますので、致命的なことは避けられます。
新聞の解約
新聞は、夫が好きでとっていました。でも最近はあまり読むこともなかったようで、月4400円は、よほど活用しないともったいないです。
何度か、「止めない?」とやんわり頼んでみて、先日やっとOKが出ました。
今はネットなど、情報収集の方法は他にいくらでもありますからね。
エンタメ系の動画のサブスクなんかと比べても高すぎると思います。
格安スマホへの変更
私の携帯をドコモから楽天モバイルに変更しました。私の場合、通話は滅多になくデータ通信がほとんどだったので、電波が不安定でも何とかなりました。
初年度キャンペーンで1年間は無料で使わせてもらいました😁。
楽天モバイルに変えただけで約1000円は安くなりました。
さらに現在は、外出が減ったこともあり、パケット代はさらに節約でき、3ギガまでの使用で税込1080円です。かなり安いですよね。
しかも、ポイント消化もできるので、0円という月がほとんどになっています。楽天ポイントはやはり貯まりかたがすごいです。
夫のカッターシャツクリーニング代の節約
共働きでフルタイム勤務の場合、カッターシャツにアイロンをかけるのは時間もかかり、結構大変なので、クリーニングに出していました。
月当たり約4000円かかるので、時間に余裕のある現在はやめています。
シャツのアイロンがけは、あまり得意ではなくうまくできていませんが、節約のため、まぁよしとしています。
これは、時間に余裕ができた賜物ですね。
ヘアカラー代の見直し
この年になると、カットに加えて白髪染めも必須になってきます。
ヘアカラー代が高いのに頭を悩まされていました。
ただ、カットは美容師の技術にかなり左右されますが、カラーはそれほど影響はないと思います。
それで、私はカットはこれまで行っていたところ(少々高め)を継続し、カラーはソメルンという安いヘアカラー専門店に変えました。
部分染めで2500円です。これまでは美容院で染めると最低7000円かかっていました。
ヘアカラー専門店では、洗髪は一度目洗いは自動シャンプーで(仕上げ洗いは手でやってくれます)、ブローはセルフになります。
自動シャンプーはちょっと気持ち悪いのと、ブローが面倒ではありますが、それで4500円節約になるなら十分価値はあるかなと思います。
マグボトルの持参
出かける時には、必ずマグボトルを持参するようにしました。
自販機やコンビニでのちょい買いはチリツモでかなりの額になります。
スタバやドトールなどを通りかかるとつい立ち寄りたくなりますが、たまの贅沢以外は極力やめています。
キャッシュレス決済の利用
キャッシュレス決済できるところでは現金は利用しません。
最近は少額でもタッチ決済できるので、100円単位でキャッシュレスにしています。
キャッシュレス決済することで貯まるポイントはバカにできません。
一番使うのは楽天カードと楽天ペイです。よく使うキャッシュレスは統一しておくと貯めやすいですね。
使えないお店のためにPayPayも用意しています。これだけあれば9割くらいはカバーできます。
コンビニへ行かない
コンビニの商品は本当に割高です。緊急で困ったとき以外は近寄りません。
会社時代は昼食を買ったり、ほぼ毎日利用していましたが、久しく行っていませんね。
100円ショップでは目的買いしかしない
100円ショップへ行く時は、必ず、買うものを厳選して決めてからの目的買いにしています。
何となくで行くと高確率で無駄遣いしてしまいます。それではまさに、安物買いの銭失いになります。
バーゲンセールへは行かない
これも9と同じ理由です。
バーゲンで売っているものに本当のお買い得品はないというのが私の持論です。所詮は売れ残りだからです。
福袋も然りです。
例外のお買い得品があるかもしれませんが、それを見つけるためにかける労力を時給換算すれば恐らく安くはないと思います。
節約生活をする前からバーゲンセールには1回しか行ったことがありません。その時の大失敗以来行っていません。

6.以降は、生活の中で気をつけることを挙げています。
どれもちょっとしたことかもしれませんが、心がけるだけでずいぶん違ってきますよね。
つみたて投資(NISA)
50歳になった時に、偶然YouTubeで見た動画がきっかけで投資を始めました。
手軽に始められることに関してはすごい行動力があるので😅、即始めました。
よろしければ、投資関連の記事も書いていますので、そちらもご覧ください。
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50代の投資 我が家のポートフォリオ(コア)
目次1 50歳にして株式投資を始める2 我が家のポートフォリオ2.1 eMAXIS Slim米国株式(S&P500)2.2 楽天・全米株式インデックス・ファンド2.3 SBI・V・全米株式イン ...
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まず、つみたてNISAから始めました。その後、特定口座でレバナスや3倍レバレッジETFなどもやり始めてしまいましたが😇、基本はS&P500や全米のインデックス投資が中心です。
50歳からの投資ですので、あまり大きな利益は得られないかもしれませんが、一般的な健康寿命で考えると20年後の70歳くらいであれば、まだ元気でいられる可能性は高いです。
投資では20年以上の長期投資であれば損失はほぼ出ないといわれていますので、ギリギリやる意味はあるかなと思っています。
仮にすごくうまくいけば、かなりの利益になる可能性もありますので、楽しみながら継続していくつもりです。
とにかく継続が一番大事ですからね。
特に、2024年からは飛躍的に改善された新NISAも始まりますので、個人的には全国民がやるべきなんじゃないかと思います。

驚くほど充実した投資への優遇制度ができたので、今後、投資をする人としない人の差はどんどん開いていきますね。
守りの準備しかできていないまま突入したリタイア生活
以上、退職のきっかけと、リタイア生活に向けて始めた節約と投資について書きました。
本当はもっと万全の準備をしてリタイア生活に入りたかったのですが、そううまくはいきませんでした。
意図せず見切り発車的な感じになってしまいましたので、あまり余裕のある生活ではありません。
結局私ができたことは、節約・投資=守りの準備のみですので、収入がない分どんどん先細りになるのは目に見えています。
後先逆になってしまっていますが、今後の目標としては、収支をプラスにすることです。
それが難しいとしても、収支をプラスマイナスゼロにすることを何とか達成していきたいと考えています。
そのためには、少しでも何かしら新たな収入源を増やすことで、資産を減らさないように維持するということが必要だと思います。
目標は高すぎてもダメなので、小さな目標を立てながら少しずつ自分なりに前進していければと思います。
今後、想定外のことが色々と出てくる可能性は大です。
そうなればなったで、「なるようになる」の気持ちで柔軟に対応していくしかありません。
でも、せっかく始めたリタイア生活ですから、そう長くない残りの人生、あまり力まず生活自体を楽しんでいくことも忘れないようにしたいです。
今後も、これからセミリタイア生活を始める方の参考になることを書いていく予定ですので、またぜひ覗いてみてください。