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セミリタイア ピアノ

セミリタイアして25年ぶりにピアノを再開しました

セミリタイア後に、せっかく時間ができたので何かやってみたいと思っても、全く新しいこととなると年齢的にどうしてもハードルが高くなってしまいます。
でも、今までやったことのある趣味であれば、簡単に取り組めます。

それで引っ張り出してきたのが、昔やっていたピアノでした。

今回は、私がピアノを25年ぶりに再開したことについて書きたいと思います。

ピアノ再開のきっかけ

ピアノを再開してみようと思ったきっかけは、映画で流れていたバッハのゴールドベルク変奏曲のアリアを聴いたことからでした。
そのピアノの音にすごく引き込まれ、さらにSpotifyでもグレン・グールドの演奏を何回も聴きました。
そんなことがあって、やっぱり私はピアノの音が好きなんだと再確認しました。
そして、このアリアを弾いてみたいと思い、早速楽譜も購入してしまいました😅

バッハは昔、インベンションとシンフォニアまでしか弾いたことがなく、ゴールドベルク変奏曲は上級だったので、到達できずじまいでした。
今回、再開して初めて挑戦することになります。

ピアノは老後の趣味としてメリットがいっぱい

仕事を辞めて、リタイア生活に入り、急激に自由時間が増えました。
こういう時間のゆとりができないと、弾いてみたいという気持ちを経て、実際に練習してみるというところまで、なかなかモチベーションは上がらないと思います。

先ほど書いたように、きっかけは弾いてみたいピアノ曲に出会ったという偶然の出来事でしたが、同時に老後の趣味として打ち込んでいくのも悪くないなと思い始め、再開につながりました。

以下、私が思う、老後の趣味ピアノのメリットです。

1人で完結する

社交的でない人(私ですw)が、サークルなどに参加するのはハードルが高いものです。
でもピアノの場合は、ピアノ本体と楽譜さえあればすぐに始められ、誰からも咎められることなく気が済むまで練習でき、やめたければいつでもやめられます。
とにかく気軽に始められ、1人で完結できます。
もちろん、発表する場に自分で出向いていき、交流の場を作っていくこともできます。
それができなくても取り掛かるハードルがすごく低いのがメリットです。

お金がかからない

大抵の趣味は、ウェアや道具など、何かとお金がかかりますが、クラシックピアノであれば、ピアノ自体をすでに持っている人であれば、無料ですぐに始められます。
楽譜などはそれほど高価ではありませんし、ピアノ本体もピンキリではありますが、中古の電子ピアノなどであれば10万円以内で手に入ります。

演奏会に出たり、教室やサークルに入ったりした場合は別として、個人で演奏を楽しむだけであれば、ほぼお金がかかりません。

成果が実感できる

ピアノ演奏は、練習の成果がとても実感しやすいジャンルだと思います。
練習に比例して上達していきます。筋トレの場合は筋肉は裏切らないとかいわれていましたが、ピアノの場合も練習は裏切りません😁

難しいフレーズでも何度も練習していくと、必ずできるようになりますし、少しずつ進歩していく過程を感じながら曲を完成させていくので、最終的に大きな達成感が得られます。

認知症予防に効果的

ピアノ演奏では、楽譜を読み、左右別々の動きをしますので、脳への良い刺激になっていることは容易に想像できます。

それは医学的にも証明されています。年配の成人がピアノ演奏をすることで、認知機能の改善がみられ、さらには脳の神経回路が強化されるという研究結果が出たそうです。

一方で、認知症になってしまうピアニストもいますので、もちろん完全に防げるわけではありません。ところが、不思議なことに、認知症になってもピアニストはピアノをちゃんと弾けることが多いそうです。

いずれにしても、ここからわかるのは、ピアノは死ぬ間際まで、たとえ認知症になったとしても趣味として続けられるということです。
スポーツや体を激しく動かす種類の趣味であれば、どうしても年齢的に限界が来る場合が多いですが、ピアノであれば高齢でも無理なく継続できます。
しかも、ピアノ演奏することは、軽い全身運動にも匹敵するそうです。

集中して余計なことを考えない時間がストレス解消になる

クラシックピアノは、譜読み、片手練習、部分練習など、あまり深く考えず、ひたすら訓練を重ねる部分も多いです。
これは筋トレにも似ている気がします。この過程が嫌だという人もいますが、私は他のことを考えず没頭できるので結構好きです。

曲が完成していくにつれて、単純な練習にとどまらず、複雑な表現力を鍛え様々なことを考えて弾く必要は出てきますが、曲が自分の理想の姿に近づいていくと楽しさが増し、達成感も出てきます。

筋トレ的な単純練習でも、仕上げた曲を表現豊かに弾く場合にも、ピアノ演奏では様々な感覚・運動機能を同時に働かせる必要があります。
その際、強制的に集中せざるを得ない状況に追い込まれるので、それを楽しめて没頭できる人にとってはストレス解消にもなると思います。

昔のピアノ教育は正しかったのか?

ところで、今でこそこうやってピアノを趣味として楽しんでいますが、昔は練習が嫌いでした。

昔、私が習っていたピアノの先生は、結構スパルタで厳しい人でした。
そして、自身の教え方に強いポリシーがあり、完璧に技術が曲に追いつくまで、好きな曲を弾かせてもらえませんでした。
昔はこういう教え方の先生がほとんどだった気がします。

結局、ピアノをやめてしまった時点では、全音ピアノピースのDランク程度までしか弾いたことがありませんでした。
先生が思う私の技術が、弾きたい曲に追いついていなかったらしいのですが、自分ではEランクは弾ける自信がありました。
基礎練習・練習曲や、つまらない地味な曲ばかりでは嫌になりますよね。
当時のピアノレッスンは、修行をしているような感じで、楽しいと思った記憶はほとんどありませんでした。

色々な考え方はあると思いますが、プロを目指すとかでないのであれば、基礎練習をしっかりした上で、生徒に好きな曲を弾かせてあげるのは大切だったんじゃないかと思います。

その時に自分のレベルより高い難曲に挑戦させてもらっていれば、再開した現在もすぐに勘が戻って色々な曲が弾けるようになっていたと思います。
そう考えると悔しい気持ちがします。

そしてようやく今になって、昔弾かせてもらえなかったFランクの難曲に初めて挑戦しています。
一からの譜読みで苦労しまくっています😭
大変ですが、ワクワクしながら楽しんでいます。

私のピアノ歴

幼少期のクラシックピアノ歴

ピアノは4歳の時から始めていて、子どもの夢でお恥ずかしいのですが、小学生から中学生初めの頃までは、ピアニストになりたかったのです。
それで、ほんの短い期間でしたが、真剣に練習していた時期がありました。
親にも、音大を目指したいとか生意気なことを言っておりました😅
1度だけ、偉い先生(よく覚えていませんがどこかの音大の教授だったと思います)に教えてもらいに行ったことがあります。
レッスンの詳細は忘れましたが、大したことは教えてもらえず、すごく短い時間(たしか30分くらい)だったにもかかわらず、手土産やら授業料やらで1回のレッスンで数万円払ったらしいです。
現在の事情はよく知りませんが、当時は音大へ行く場合、そういった音大の教授などにコネ付けする必要があったらしく、純粋にピアノ技術だけでは済まない部分があったようです。

そのレッスンの数日後、親は「早いうちに音大を目指すのは諦めといたほうがいい」と言ってきました。
「なんで?」と聞くと、「うちはあんなレッスンを何回も受けさせるほどお金がないし、そもそもあんたにはそんなお金をかけるに値する才能がない」とのことでした(要約したので内容はキツいですが、もう少し優しい言い方でしたけどね😅)。
ちょっとショックでしたが、内心才能がないという自覚もあったのでしょう。あっさりと音大への道は諦めました。
それ以外にも、私の通っていた音楽教室は音大を目指す子もいる少しレベルの高い教室だったのですが、私には絶対にできない、すごい演奏をする子がいたのも諦めた理由だった気がします。そんな街の教室の子に負けているようでは、プロになるなんて到底無理ですからね。

また、以下は私見ですが、音大を目指すには犠牲にすることが多すぎます。
まず、普通の勉強や学校生活は諦めなければいけません。ほぼ1日中ピアノ漬けです。
その上で、めちゃくちゃお金がかかります。上記のような個別の教授レベルの先生への謝礼、グランドピアノの購入など、普通の会社員の家庭ではかなり厳しいものがあります。
さらに、音大を出たところで、よっぽどの才能がないと、演奏家として食べてはいけません。
私の知っている限りでは、音楽教室や個人でピアノを教えているか、全く別の仕事についている人がほとんどです。

話は戻り、その後は方向転換して高校受験の勉強を頑張り始めました。普通の私立高校、大学へ進学し、普通の社会人になりました。
大学生活に入った頃から、時間に余裕ができ、少しずつ暇をみつけてはピアノを弾くようになっていました。

指導グレード5級の取得(20代の頃)

社会人になっても、細々と趣味でピアノを弾いていたのですが、せっかく10代の頃に頑張った成果を何かの形で残したいと考えるようになり、思いついたのが資格です。

ヤマハの指導グレード5級をとってみようと思い立ち、早速、資格取得に詳しい先生を探して電子ピアノまで購入し(近所迷惑が気になって練習ができないため)、受験対策を始めました。

取り組んでみると、結構大変でした。勉強する科目は、ヤマハのページをみるとこんな感じです。

科目 配点  
実技試験 ソルフェージュ
・メロディー視唱(50点)
・ひきうたい(50点)
100点
鍵盤実技
・伴奏づけ(50点)
・移調奏(50点)
100点
筆記試験 聴音 100点
楽典 100点
コード進行法 100点
合計   500点

私が受験したのは25年ほど前ですが、科目や配点(合格は375点以上)はほぼ変わっていないと思います。
ただ、初見演奏という科目があった気がしますが、なくなっていますね。

私の場合は、一通り勉強して、あまり完璧ではない状態ではあったのですが、早い段階で試しに受けてみました。
点数は通知されるのですが、「ひきうたい」以外は結構余裕の合格点でした。
中でも聴音は、これといった勉強はしていなかったのに、なぜかほぼ満点でした。

ところが、「ひきうたい」で引っかかってしまい、2回落ちました😭
超音痴な上に、緊張すると声が裏返るという、どうしようもない状態でした。これはもう無理じゃないか、とまで思ったのですが、3回目はお情けで通してくれたようです(実情はわかりませんが)。

指導グレードは3級まであり、5級は一番低いレベルです。
レベルとしては、全音ピアノピースDランク程度が完璧に弾ける人であれば難なく通ると思います(超音痴であがり症でなければ😅)。

これで何がどうなるというわけではありませんが、とりあえずピアノを教えられるレベルまで頑張ったという証ができた気がしました。

ただ、これで満足してしまい、クラシックピアノはすっぱりとやめてしまったんですよね😅

ジャズピアノにも挑戦(20代の頃)

指導グレードの受験と並行して、ジャズピアノも習っていました。20代の頃は習い事をするのが生きがいのようになっていました。
ジャズは聴くのが好きでしたので、自分でも演奏してみたいと思ったのがきっかけです。

習ってみると、クラシックピアノとは全く違うと感じました。
クラシックピアノは、楽譜通りに一音も間違えず弾くことが大前提で、技術を徹底的に極めるアスリートのようなイメージです。
一方でジャズピアノは、即興でオリジナルの音楽を作り出すクリエイティブなイメージです。
めちゃくちゃアバウトですが、私の勝手なイメージです。

クラシックピアノの経験しかなかった私は、コードが記されテーマ部分だけが書かれた楽譜からアドリブで展開していくことは、最初は全くできませんでした。
多少は高度な演奏ができるという自負があったのですが、全編の楽譜がないと全く手が動かないという無力感にショックを受けました。
でも、コードを覚えること、アドリブの作り方など、すべてが新鮮で、新しい発見ばかりで楽しかったです。

教室では、時々セッションなどに参加してみたりしましたが、その度に自分の下手くそさに打ちひしがれたものでした。
ジャズピアノは実践がかなりものをいうので、そういうセッションの場が頻繁ににないと、なかなか上達しないんだろうなと思いました。
ただ、セッションは、交流の場や人脈などがないとなかなか機会がありません。現在の私のように孤立した状況ではなかなか難しいですね😅
またいつか、機会を作っていければいいなと思っています。

ジャズピアノも、引っ越しを機に20代後半でやめてしまいました。

今後の目標


まずはクラシックピアノで指の動きを取り戻したい

今後は、クラシックピアノだけでなく、ジャズピアノのように、自由に即興でアレンジして弾けるようになるのが理想なのですが、なんといってもブランクが25年もありますので、指がしっかり動くまではクラシックピアノを徹底的にやってみようと思っています。

クラシックピアノでは、クリアな音を出すために、しっかり確実な鍵盤の押さえ方が要求されますので、指のリハビリにはピッタリです。

今、リハビリを兼ねて難曲に取り組んでいますが、少しずつですが、成果は出てきています。

難しい曲をクリアしていく

先ほども書いたように、現在、ピアノピースFランクの難曲に取り組んでいますが、四苦八苦しながらも楽しんでいます。

本当は基礎練習からしっかりやり直したほうがいいのでしょうが、楽しみながら取り組めることも大事ですからね。
基礎練習に飽きて嫌になってやめてしまうのは一番避けたいことです。

なぜいきなり難曲に取り組んでいるかというと、難曲は、譜読みでは気力や視力、演奏では体力が要求されますので、あまり高齢になりすぎると諦めて弾けずじまいになってしまうこともあり得ると思ったからです。

私は今50代前半ですが、難曲を1曲完成させるにも、少なくとも半年はかかってしまいます。そうすると年齢的に、弾ける曲数にも限りがあるということに気づきました😭。

ですので、今の年齢のうちに、できる限りの難曲に挑戦してみようと思ったわけです。

練習を続けられているのは、難曲を絶対攻略してみる! という意気込みがモチベーションになっているところもあると思います。

発表の場へ出る

現在は、昔と違って、ピアノサークルや、誰でも参加できる発表会などが全国各地で開催されているようです。
インターネットではいくつかチェックしてみましたが、なにせまだリハビリ段階ですので、人様の前で弾ける状態ではありません😢

せっかく頑張って練習しているので、いつかはどこかで演奏してみたいと思っています。
また、人前で恥ずかしい思いをして演奏するのも上達への近道だと思います。

自由に曲をアレンジできるようになる

先ほど書いたように、クラシックピアノがある程度、満足に弾けるようになれば、ジャズピアノもまた再開してみたいと思っています。

やはり、曲を即興でアレンジして弾けるようになるのが最終目標です。
ジャズピアニストは、リクエストなどがあればさらっと即興で色々な曲を弾いてみせたりしていますよね。あんな感じに弾けるのが夢です。
特別難しいテクニックを使っているわけではないと思うのですが、クラシックピアノでテクニックを磨いているだけではできないんですよね。
それができることで、初めてピアノが弾けるといえるような気がします。

生産性がなくてもその時々で楽しめていることを大切にしたい

ピアノを練習したところで、お金が稼げるわけでもありませんし、誰かのためになるわけでもないので、生産性のないことかもしれません。

これまでは、やることすべてに成果を求めたり、労力をお金に換算するということをついついやってしまいがちでした。
でもこれからは、その時々に純粋に楽しいと思えることをやっていくことも大事なんじゃないかと思います。
残された健康寿命は思っているほど長くはないからです。

先ほど挙げた目標を達成するのは遠い道のりですが、気長に挫折せず、細く長く、楽しんでやっていこうと思います。


-セミリタイア, ピアノ