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ピアノ

ブランク25年、ピアノ再開1年目で挑戦できた曲(革命、幻想即興曲、英雄ポロネーズ)

ピアノを全く弾かなくなってから25年を経て、再開してから約1年が経ちました。
セミリタイア生活に入り、同時に高齢犬の介護生活に入ったりと、大きく生活スタイルが変わった1年でもありました。

ピアノ再開組としては、また挫折してしまわないように、必ず毎日練習することを最優先にしていました。
1日1時間くらいの練習時間で無理のない範囲だったので、1年間継続することができました。

以前に、挑戦したい難易度の高い曲というテーマで記事を書きました。

50代の趣味ピアノ(中級以上)で挑戦したい難易度の高い曲5選

ブランク25年の趣味ピアノ再開組です。年齢的なこともあり、難曲に取り組める時間も限られています。というわけで、ピアノの先生方からはお勧めされないとは思いますが、いきなり難曲に取り組んでおります😅 今取 ...

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こちらで紹介した5曲のうち、3曲に挑戦することができました。
全部ショパンになってしまいました。

革命のエチュード(Op.10-12)

再開して初めて取り組んだ曲です。
振り返ると、再開して初めて取り組む曲としては難しすぎたな、と思っています。

まず譜読みからして壁にぶち当たりました。
ショパンの曲に限らないかもしれませんが、難易度の高い曲になると、臨時記号がやたらと多いんですよね。
元々の調性でも♭がいくつもあるのに、その上での臨時記号なので、一音一音間違えないように拾っていくのが大変でした。
すごく時間がかかり、根気のいる作業が続きましたが、曲が短いことで救われました😅

一通り譜読みが済んで、そこからがスタートのはずなのに、この時点でかなり疲弊していました。
この曲は左手のための練習曲なので、とにかく左手がこれでもかというくらいに縦横無尽に動かさせられます。
私は手があまり大きくはなく、加えてテクニックの中でも特にアルペジオが苦手なのですが、この曲は全体を通してアルペジオの連続です。
アルペジオでは粒が揃わないこと、音をはずすことに、相当悩まされました。

特に地獄ゾーンは25小節〜35小節65小節〜72小節です。

この部分は、譜読みからしてものすごく時間がかかり苦労しました。その上、この曲の中でも特に難易度の高いアルペジオが続きます。このアルペジオが180度以上手を回転させないと届かないんじゃないかというくらい私にとっては厳しくて、指がつったり絡まったりして大変でした。
アルペジオが苦手な上に、手もあまり大きくない(女性の標準サイズではありますが、男性や手の大きい人はやはり有利でしょうね)ので、普通以上に練習量が必要でした。

現在、この曲を練習して1年が経過しましたが、まだまだ納得のいく仕上がりにはなっていません。
ただ、ほぼナチュラルスピードで、暗譜できるまでにはなりました。
ところが、不思議なことに、ここにきて上達が止まるどころか、下手になってきています😭
いくら練習しても同じ間違いが直らなかったり、頑張って克服したはずの難所がガタガタになってきたりと、モグラ叩き状態です。
仕上げまでは、練習に比例して上達するのですが、それが止まってしまうところが限界点なのかもしれません。

革命は、ネット上などではよく「聴いた感じほど難しくない」とかいわれていますが、私には十分難しかったです。

とりあえず弾けるというのと、完成度が高い演奏ができるというのとは天地ほどの差があります。
上記の地獄ゾーンを含めて完璧に弾ける人は、素人では少ないと思います。
もちろん私は「とりあえず何とか通しで弾ける」という段階で止まっています😅

幻想即興曲

幻想即興曲は、革命の譜読みを終えた頃に取り組み始め、10カ月が経ちました。

革命の後だったので、譜読みはとても楽に感じました。
繰り返しが多いので、実質の譜読みの量は少なくてすみました。

まず、左手と右手のリズムを合わせるのが難しいというのはありますが、コツをつかめばできるようになります。
最初の難所は7小節〜8小節の右手の速弾きのところです。
この部分は練習を重ねるうちに、かなりミスすることは少なくなりました。
他にもいくつか小さい難所がありますが、私が一番難しいと思うのは最後の1頁です。
ここは未だにうまく弾けず、つっかえてしまいます。

幻想即興曲は、とりあえず弾けるというところまでは、中級以上の人であれば簡単に到達するかもしれません。
ただ、あまりにも有名な曲である分、聴く人の評価も厳しくなるので、表現力とか完成度が求められるという意味で難しい曲だと思います。

英雄ポロネーズ

英雄ポロネーズは、幻想即興曲が一通り弾けるようになった頃に取り組み始め、8カ月が経ちました。

この曲は上記2曲に比べるとグッと難易度が上がります。
譜読み自体は、繰り返しがかなり多いので、思っていたよりも苦労はしませんでした。
ところが、とにかく難所に次ぐ難所で、一通り弾き通し、曲としてかたちにするだけでも半年近くかかってしまいました。
譜読みを終えても、つっかえてばかりで曲として破綻している状態でした。

最近になって、やっと曲として聴こえるようになってきましたが、まだまだ思うようには弾けていません。
今は特に難所の部分練習に励んでいます。

本当に難所が満載なのですが、私が特に苦労した箇所をピックアップしてみました。
練習されている方は、きっと共感していただけるかと思います😆

冒頭の4度の半音階

冒頭からいきなり難所が登場します。
ここが一番難しいと感じる人も多いようです。

私はこのような半音階は比較的得意な方だと思いますが、それでもやはり弾きにくいことには変わりありません。
多くの人がいうように、3回目の半音階が特に弾きにくいです。

1箇所全音になる部分があるせいで指が回りにくくなるのが原因です。ここを他より大きめにクィっと動かすのがコツですね。
現時点でも、まだまだ練習が必要な段階です。

序盤から主題部へのつなぎ部分

この部分は地味に難しいです。
13小節目ですが、左手は連続オクターブで駆け上がり、しかも右手は和音が混じった音域の広いアルペジオなので、相乗効果で難しさがアップします。
特に右手は、手の小さい人にとってはさらに過酷です。
ここは速度を落とさずに駆け上がりたいところなので、繰り返し練習が必要ですね。

主題部の締めくくりの和音の連続

27小節目からのオクターブプラストリル(小さい手にはかなりキツい)に始まり、両手ともに広音域の和音の連続、さらにはオクターブを超える左手の分散和音の連続からの高速ユニゾンです😇

この部分は、曲中で計4回繰り返されます。
何度も練習していますが、やはりここでも手の小ささが難度を上げています。
隣の鍵盤を弾いてしまったり、汚い音になってしまったりします。
その上、左右両方に跳躍が多いので、音を外しやすいです。
重要な主題部なので、間違えると演奏全体の印象がガタ落ちになってしまいます。
一方で、弾いていて一番気持ちのいい部分でもありますので、練習を重ねて完成度を上げていきたいです。

主題部の後の両手の勇ましいリズムの部分

この部分は、不協和音的な響きがあることで、譜読みがすごくやっかいで一番時間がかかったところです。
また、指を捻じるような複雑な動かし方をしなければいけないところがいくつかあり、重点的に部分練習をしました。

ただ、一旦仕上がってしまえば、他の難所に比べると少し簡単に感じるようになる不思議な箇所です。

中間部の左手オクターブの連打

この曲の名物ともいえる一番の難所です。

とにかく左手をナチュラルスピードで弾くのは至難の業です。
完璧に脱力ができていないと、無理が出てきて弾き通すことは困難だと思います。
力をコントロールして、軽く均一に弾くのがとても難しいです。

そして、この連打の終盤では、左手の動きが逆回転となり、さらに右手も広音域和音の連続が加わり難易度が増します。

この部分を制するものはこの曲全てを制するといってもいいのではないかと思います。

私の場合は一応、弾けることは弾けるのですが、スピードがどうしても遅くなってしまいます。
そして、頑張りすぎて腱鞘炎っぽくなってしまいました😭
みなさんも、この箇所の練習のしすぎにはご注意ください。
そして、本番など以外は、2回繰り返すのは控えたほうがいいかもしれません。

「幻想即興曲」「革命」「英雄」の個人的な難易度

以上、2023年に弾けるようになった曲の進捗状況を書きました。
せっかく一通り弾けるようになったので、継続して毎日必ず1回ずつは弾くようにしています。
そして完成度を上げて、人前で弾けるようになれればなと思っています。

この3曲は、どれもいつかは弾いてみたかった憧れの曲だったので、弾けるようになった達成感は大きいです。

一番嬉しかったのは、英雄ポロネーズが弾けるようになったことです。
大好きな曲なので、下手くそでも和音の響きを感じるだけで幸せな気分になります。
和音がとても多いのですが、その響きがどれもエモいというか、すごく私好みのコードなんですよね。

また、この3曲の難易度についてですが、私の演奏スキルでは、
幻想即興曲 <<<<< 革命のエチュード < 英雄ポロネーズ
というのが実際に取り組んでみた印象です。

英雄ポロネーズは、誰もが口を揃えて最高難度の曲だと言いますが、弾いてみた感じでは全く歯がたたないという感じではありませんでした。
私の場合は、和音の連続がそれほど不得意ではないというのもあるかもしれません。
余談ですが、英雄ポロネーズの練習をしていた時に、中学時代に合唱コンクールで「大地讃頌」という和音ばかりの伴奏曲を弾いたことを思い出しました。
他のクラスの伴奏担当の子は、かなり苦労していたようですが、私はそれほど苦労せずに弾けたという思い出があります。

一方で、革命のエチュードは英雄ポロネーズにも劣らないくらい難しかったです。
革命のエチュードは、指を大きく動かすだけでなく難しい指くぐりがある難易度の高いアルペジオが頻繁にでてきますので、アルペジオが不得意な私にとっては、非常に弾きにくい曲でした。
このように、難易度は個人の得手不得手によるところが大きいので、一概にはいえないと思います。

2024年に仕上げたい2曲

挑戦予定だった難曲5曲のうち3曲を制覇したので、2024年は残りの2曲(熱情とエチュード10-4)に取り組む予定でした。

ところが、先ほど書いたように英雄ポロネーズの左手連打の練習で軽い腱鞘炎のようになってしまったので、残りの2曲のような、かなりパワーのいる曲は厳しいと感じました。
それでも、挑戦は続けたいという気持ちがあるので、難曲でもスタミナがあまりいらない曲を探しました。

その結果、選んだのが以下の2曲です。

ラヴェル:水の戯れ

この曲は初めて聴いた時に、まさに水がキラキラと溢れ出すような音の美しさとと現代音楽的な浮遊感のある独特の響きに魅了されてしまい「いつか弾いてみたい!」という曲の1つになっていました。
しかし、勢いで譜読みを始めてみて、呆然としてしまうと同時に選曲に後悔しました。
譜読みが、私のピアノ歴でダントツの地獄です😭
ラヴェルは近現代音楽の部類に入るので、ベートーヴェンとかショパンに慣れていた私にとっては異質の難しさがありました。
手の交差が頻繁にあり、不協和音も多数、グリッサンドなど、今までほぼ経験のない技術がたくさん詰まっています。

今のところ、やっと3分の1まで譜読みが進みましたが、今までやってきた曲の譜読みの10倍以上の時間がかかっている気がします。
この曲の譜読みに比べれば、英雄とか革命はすごく簡単に感じました(譜読みにかぎってのことですが)。
でも、ここまで手こずる譜読みは、年をとるとますますできなくなると思うので、早いうちに挑戦できて良かったと思います。

また、これは想定外だったのですが、結構動きが激しいんですよね。
有名なピアニストが優雅に軽く弾いているように見えたので選曲したのですが、腱鞘炎をいたわれる曲ではありませんでした。
でも、せっかく苦労して譜読みを途中まで進めたので、仕上げるまで頑張ってみます。

今の調子だと、とりあえず弾けるようになるだけでも1年はかかりそうです😅

カプースチン:トッカティーナ

こちらは、最近たまたま見つけた曲で、1回聴いて興奮してしまいました。
こんなカッコいい曲がクラシックの中にあったのかと驚きました。

カプースチンの曲はジャズとクラシックを融合したような曲が多いです。
このトッカティーナは彼の代表的な人気曲で、「8つの演奏会用エチュード」という曲集の中の1曲です。

聴いた感じは、ほぼジャズじゃないかと思いました。

私は20代の頃にジャズピアノを習ったのですが、挫折したままになっていました。
ジャズピアノは、クラシックとは全く別の難しさがあります。
音源を聴いてフレーズやコードを身につけていくしかないので、すごく時間がかかります。
いずれはジャズピアノを再開したいのですが、数年間はピアノの指を取り戻すことに力を入れていきたいと思い、今はリハビリでクラシックをやっているという状態です。

それでも、ジャズピアノの感覚も思い出したいという気持ちが強くあったので、この曲はうってつけだと思いました。

ただ、この曲もとにかく譜読みが難しいです。
リズムも裏拍が強調されていたり、単純ではないので慣れるまで難しいと思います。
曲が短いのが唯一の救いです。

この曲はまだほとんど手をつけられていませんが、水の戯れの譜読みが完成したら本格的に取り組み始めようと思っています。

有名すぎる曲ではない近現代音楽を弾くメリット

2024年に仕上げる目標の2曲をご紹介しました。
腱鞘炎にやさしい曲ということで選んだつもりでしたが、結局そうでもなかったというオチですが😅

もう1つ、この2曲を選んだ理由としては、音楽に少しは詳しい人でないと知らない曲を弾いてみたくなったというのがあります。

以前の記事に挙げた弾いてみたい難曲5曲は、どれも超有名な曲ですが、これはこれで考えものかも、と思い始めました。
というのは、下手くそな演奏者の甘えでもありますが、間違えたところがすぐに気づかれてしまうのを避けたいという気持ちが出てきたんですよね。

実は、夫に聴かせてみたところ、「めっちゃ間違ってるし下手くそやな」と言われてしまいました😢
夫はクラシック音楽に関しては全くの無知ですが、さすがに上記の2023年に仕上げた3曲は知っています。
そんな人でも間違いにすぐ気づいてしまうことに愕然としました。
さらに、有名であるが故に、たくさんの上手い演奏と比べられて下手なところや間違いが必要以上に目立ってしまうという、ダブルのマイナス効果があります。
つまり、有名な曲を弾くのは下手であればあるほど不利になってしまうともいえるのではないかと思います。

安易な考えではありますが、知られていない曲のほうが、そういったことは多少は避けられる気がします。
人前で弾く場合に被ることが少ないというのも利点ですね。

あまり知られていないとはいえ、「水の戯れ」も「トッカティーナ」も、すごく華やかで演奏効果は高く、聴きごたえがある曲なので、やりがいがあります。

いずれにしても、年齢とともに気力体力はどんどん衰えていくので、早いうちに難曲に果敢に挑戦していこうと思っています。

次回以降は、上記2曲の進捗状況などを書いていきたいと思います。

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