※当ブログのリンクには広告が含まれています

ピアノ

約30年前の古い電子ピアノをカワイCA701に買い替えたレビュー

ずっと買い替えたいと思っていた古すぎる電子ピアノをやっと買い替えました!

今まで使っていた電子ピアノは1992年製のもので、今となってはほぼ化石のような電子ピアノです😅
ブランク期間が25年ですので、実質の稼働期間は約5、6年ということになります。
でも、やはり電子機器ですので使っていなくても部品は劣化していきます。

セミリタイア生活を始めたと同時にピアノを再開し、8カ月ほど毎日使っていました。
30年前の製品であるにもかかわらず、特に故障もなく、なんとか使えていました。

ただ、最近の電子ピアノのすごい進歩を知り買い替えを考え始め、ついに最新型のKAWAI CA701の購入に至りました。

結果として、とてもいい買い物になったので、早速レビューしていきます。

古くてもかなり健闘してくれたCLP123

今では、持っている人もかなり珍しいと思いますが、つい最近までYAMAHAクラビノーバCLP123というものを使っておりました。

こんな感じで、見た目にも少々安っぽいです。特に、蓋はスライド式のアクリル製で、手で押さえるとペコペコするような柔い造りです。

約30年前の製品で、機能は現在のものと比べるとかなり劣ります。当時は27万円ほどしたようなので、安いものではなかったのですが…。
操作できる種類も下の写真のボタンにあるものだけで、とても少ないです。

この機会に、ちょっと比較してみました。

CLP123CA701
鍵盤AE(アクションエフェクト)鍵盤、樹脂製グランドフィール・アクションⅢ、木製
音色数8106
音源AWM音源SK-EXレンダリング音源
同時発音数32256
スピーカー4つ6つ

こうしてみると、この30年の進化の大きさがわかります。
まず、CLP123の鍵盤は、AE鍵盤という何代も前の代物です。
CA701のグランドフィール・アクションⅢのタッチ感とはほど遠い感じです。
ほかに、音色数、音源、同時発音数は、どれもCA701の方がケタ違いによくなっています。

ただ、私の場合、住宅事情や練習時間の事情により、ほとんどヘッドホンを使って練習していますので、スピーカーや音響関連の違いは正直なところそれほど大きくは変わりませんでした。むしろ、こんなに古い製品の割には結構いい音なんじゃないかと思うくらいでした。

25年近く、ほとんど通電もしていなかったので、ピアノを再開した時は音が出るかどうか心配でしたが、しっかり稼働してくれました。
ヘッドホンを通して聴く音は、十分ピアノらしい音でした。ヘッドホンを外した時の音はアコースティックピアノとはかなりかけ離れていましたけれど。

大きく違うのは、やはりタッチ感です。
私が思い切って新しい電子ピアノに買い替えた一番の理由もここにあります。

CLP123とCA701では鍵盤自体のしくみがかなり違います。
CLP123は、見えない部分の鍵盤の長さが短く、支点までの距離も短いため、白鍵の奥の方や黒鍵を弾く時に重く弾きにくくなります。
現在でも安い電子ピアノであれば同じような感じだと思います。
アコースティックのグランドピアノでは、見えない内部の鍵盤の奥行きが長く、支点までの長さのバランスにより鍵盤のどの部分で弾いても均一な力で弾くことができるしくみになっています。
CA701は、カワイ独自のシーソー式の鍵盤システムで、タッチが限りなくグランドピアノに近くなっています

加えてCA701は、センサーの感度や精度は何倍も高くなっていると思います。
CLP123はAE(アクション・エフェクト)鍵盤ですので、いちおうはタッチの強さをセンサーが感知して音の大きさをコントロールできるようになってはいますが、その感度はかなり雑な感じがします。
当時では先進の技術だったんでしょうけど。
というのも、経年劣化で鍵盤が硬くなっているせいか動きが重いにもかかわらず、鍵盤の底まで押さえなくても音が出てしまうことがあったのです。
つまり、力を入れて弾かなければいけないのに、鍵盤を押さえる動作の途中で音が鳴ってしまうというアコースティックピアノではあり得ない誤作動のようなことが頻繁に起こってしまうのです。
こんな鍵盤でずっと練習していると、確実に変な癖がついてしまうと思いました。

CA701では、当然こんなことは起こりません。ピアニッシモのタッチで弾いても鍵盤の底までしっかり押さえて初めて音が出ます。センサーの精度がまるで違います。

また、鍵盤の材質も重要です。
CLP123は、すべて樹脂製つまりプラスチックです。当然ながら手触りは単一でツルツルですので、手汗をかいている時も逆に乾燥している時も滑りやすくなります。クラシックピアノは強く弾くことが多いので、プラスチック素材は特に滑りやすさが気になります。
一方、CA701は88鍵すべて木製鍵盤です。表面に適度なマット感とザラつきがあり、手汗などで滑ったりせず、手に吸い付くように弾きやすいテクスチャーです。

とはいえ、CLP123は上記の点以外は、かなり優秀な電子ピアノだったと思います。
この30年の電子ピアノの進化がすごかっただけで、当時では最先端だったわけですからこのピアノに罪はありません。
CLP123は、30年経過している上に、ブランクがあり保管状態もあまり良くなかった割には、大きな故障もなく健闘してくれて、私の貧弱なピアノライフを十分に支えてくれました。お疲れ様でした😊

CA701とCLP775との違い

ピアノを再開した頃から、新しい電子ピアノが欲しくて色々物色していたので、最終的に2択まで絞り込んでいました。

詳しくは別記事に書きました。

生ピアノに近い電子ピアノを選ぶ時の必須ポイントと、CA701とCLP775の比較検討

25年のブランクを経て、最近ピアノを再開しました。ピアノは生ピアノではなく、古い電子ピアノです。それも30年くらい前のものです。さすがに古すぎますし、いつ故障してもおかしくない状況で、現在もその兆候が ...

続きを見る

こうして比較して検討していくうちに、やはりクラシックピアノの練習がしっかりできる電子ピアノがいいという考えに至りました。
その結果、ヤマハのCLP775にはなくて、CA701にあるものの方に若干の優位性を感じたのでこちらを選びました。
この2機種には大きな違いはなく、どちらも良い電子ピアノであることは間違いありません。最終的な選択は好みや目的によるものだと思います。
私がCA701に優位性を感じた明らかな違いは下記の2つだけです。

鍵盤の材質

CA701は、黒鍵も白鍵も88鍵すべて木製鍵盤です。一方CLP775は白鍵のみが木製鍵盤です。
生ピアノはもちろんすべて木製鍵盤ですので、生ピアノにより近いものという意味でCA701に優位性を感じました。

カウンターウェイト

ヤマハのCLPシリーズでは最上位機種のCLP785のみカウンターウェイトが搭載されています。
一方、カワイでは最上位機種のCA901だけでなく私の購入したCA701にも搭載されています。
大きな違いがあるわけではありませんが、生のグランドピアノにできる限り忠実に再現しようとしている点に惹かれました。

鍵盤へのこだわり

CA701とCLP775は、上記の違いはあるものの、他はほとんど違いはないと思います。

ただ、私はやはり鍵盤自体に強いこだわりがあり、できる限り生ピアノに近いものを選びたいと思っていました。
電子ピアノを買う一番の目的は、グランドピアノを弾く場合に違和感なく弾くことができるように日頃から練習したいということでした。
その点、CA701はすべて木製であったりカウンターウェイトが搭載されていたりとフル装備で、コストをかけて生ピアノの鍵盤を忠実に再現しようとしている印象が強いです。
一方、CLP775は、電子ピアノ特有のアプリや演奏機能が充実していたり、音色やエフェクトが幅広かったりという点ではCA701より高機能です。
ただ、私にとっては、そういった機能はあまり必要はありませんので、同じ価格帯であればCA701を選ぶという方向になりました。

また、予算に余裕があれば最上位機種のCA901を購入した方がいいのかもしれませんが、この2機種の一番大きな相違点は響板スピーカーの有無のみです。
私の場合は、ヘッドホンをつけての練習がほとんどなので、CA901はオーバースペックかな、というのが除外した理由です。

CA701の搬入・設置と実物写真での各部位の説明

搬入当日は、久しぶりに高揚しました。これだけ高額な買い物は久しぶりですからね😊
搬入・設置は1時間弱程度で完了しました。

外観

色はプレミアムホワイトメープル調仕上げにしました。部屋の家具に白系が多いのと、部屋が明るくなるかと思ってこの色にしました。
黒よりもホコリが目立ちにくいというのもズボラ主婦としては大事です😅

外枠はCLP123よりも重厚な木製枠で重みがあります。実際にCLP123が59kgだったのに対し、CA701は76.5kgでかなり重量が増えています。
蓋は、スライド式にありがちな安っぽさはなく、厚みがありしっかりした造りで高級感があります。
木製の手触りも滑らかですごく気に入っています。

ペダルの踏み心地は、少し硬めでグランドピアノのペダルに酷似しています。
また、今回は楽天のピアノプラザさんで購入しましたが、上の写真のように、3ポイントマットを無料で付けていただきました。
これで打鍵音などが響きにくくなります。うちの場合は一軒家ですのでそれほど必要はないですが、マンションの方などは必須になると思います。

木製鍵盤

鍵盤は文句なしの完璧な作りの木製鍵盤です。散々書いてきたように、タッチはほぼグランドピアノそのものです。
この鍵盤で実際に弾いてみて、CA701にして本当に良かったと思いました。

まだ新しい木の良い匂いがします。
手触りは、木目のナチュラルなざらつきがあり、手が滑りにくくなっています。

どうでも良いことかもしれませんが、黒鍵の角丸のところがヤマハよりも若干鋭角になっているのも個人的に好みです。

スピーカー

スピーカーは6つ付いているので、音に奥行きと立体感があり、音に全体から包まれたような感覚になります。
響き方が精密に設計されていて、生ピアノの響きに限りなく近くなっています。
古い電子ピアノとの大きな違いは、下の写真のように上からも音が出るようになっていることです。

ピアノの上面。上のグレーの部分がスピーカーの出力部分です。

便利機能

機能に関しては細かいことまで書くとキリがないので、詳しくはメーカーのホームページ等をご参照ください。
30年前の電子ピアノを使っていた私にとっては、機能は驚くほど豊富に感じました。

中でも特に便利だと思った点をあげてみます。

録音機能

ピアノを練習する上で、自分の演奏を思い立ったら即時録音できるというのはものすごく便利ですし、重要な機能です。
練習しているときには、なかなか自分の演奏を客観的に聴けないので、録音したものを聴いて初めて気づくことはたくさんあります。
その結果、欠点をどんどん改善できるので上達の近道になります。

録音もタッチパネルのRECをタップするだけできるので、とても気軽に何度でも使えます。

メトロノーム機能

最近の電子ピアノではすでに当たり前になっているとは思いますが、メトロノーム機能も便利ですね。
超古い電子ピアノを使っていたためにそんな機能はなく、別途メトロノームを置いていたので省スペースになりました。

Bluetoothオーディオ機能

Bluetoothに対応しているので、スマホから接続して、スピーカーを使って音楽が聴けます。スピーカーは6つ付いていますので、迫力ある音で聴くことができます。これも嬉しい機能ですね。

他にも、デジタル機器との接続に関しては、USB端子も使えますし、簡単に各デバイスに接続でき、様々な応用ができると思います。

楽譜ストッパー

これはすごくいいアイデアですね。今までは楽譜がめくれてしまうのをクリップで止めていましたが、これがあるとそんな必要もありません。
おかげで、弾いている時のストレスが減りました。
使わない時は収納できますので邪魔になりません。

CA701はやはり鍵盤が秀逸

色々と気づいた点を書いてきましたが、総じて大正解の買い物でした。

しつこいようですが、中でもやはり、鍵盤のタッチが秀逸です。
電子ピアノには生ピアノにはない利点が数多くありますが、最大のウィークポイントになり得るタッチの違いを克服できているかが一番重要な点だと思います。
CA701は、ハイブリッドピアノではないので、しくみは生ピアノとは違うのですが、最新の技術で見事にクリアできています。
古い電子ピアノで、タッチの違いに悩みながら練習を続けなくて良かったと思います。

50代の趣味ということで、この先どうなるかわかりませんが、ピアノに限らず何をするにしても、気力・体力があるうちに後悔のないように思い切り楽しむべきだと思っています。
そして、そういうことにお金を使うことをケチって後回しにするべきではないと思うようになりました。
高い買い物でしたが思い切って購入して良かったです。



-ピアノ
-,