「水の戯れ」の練習を始めて、7カ月目に入りました。
前回は前半の難所について書きました。
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ラヴェル「水の戯れ」の難しいところ①
25年のブランクを経てピアノを再開し、1年半が経過しました。 再開早々に、無謀にも弾いたこともない「革命のエチュード」から練習し始め、次に一度は弾いてみたいと思っていた「幻想即興曲」、憧れの「英雄ポロ ...
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その後も、部分練習を継続していますが、なかなか手強いです😢
ただ現時点では、譜読みの地獄に比べると、ずっと楽しく練習できています。
今回は、後半の難所について書きたいと思います。
後半の難所
前半は、グリッサンドの盛り上がりで区切りました。
後半も最後まで難所が盛りだくさんです。
後半の初めから、かなり左手のアルペジオが動かしづらいフォームになりますが、それほど指を広げる必要はないのでなんとかなります。
問題はその後の跳躍部分です。
両手が重なり合うポジションでアルペジオ、跳躍、半音階がミックスした箇所(53〜55小節目)
まず、54小節目の上昇方向のアルペジオが難しいです。両手が部分的に重なり合うので動かしづらい上に、アルペジオの絶妙の押さえづらさが加わります。
そして、55小節目の左手と右手でつなげる和音の跳躍、即座に続く半音階の、それぞれ2回ずつの跳躍がさらに難しいです。
単独のフレーズではそれほど難しくなくても、間をおかず2回繰り返しで大きく跳躍するとなると、とたんに難易度が上がります。
また、両手が同時に跳躍するので、外しやすいです。
このフレーズが、微妙に違う和音でもう1度繰り返されます(57〜59小節目)。
この微妙な和音やフォームの違いがこの曲ではよく出てきて、それが曲者なんですよね。ちょっとの違いですごく指が抑えづらく、ミスタッチを招きます。
今のところ、何度部分練習をしても失敗しています😢
押さえにくい和音と跳躍が激しい箇所(60〜61小節目)
非常に押さえにくく、指のフォームがかなり無理があり、しかも激しく跳躍する箇所です。
テクニック的にはこの曲ではトップクラスの難所です。
譜読みにすごく苦労した箇所でもあります。
速度はだんだんゆっくりになるので、なんとかなりそうではあるのですが、それでも難しく、もしこれがリタルダンドでなかったら絶対弾けないレベルです。
部分練習やリズム練習を繰り返し、地道に仕上げていくしかないですね。
ここまでクリアできれば、大きな難所はほぼ乗り越えられたといえますね。
何度繰り返しても把握できないアルペジオの連続(68〜69小節目)
この曲の中でも私が好きな箇所の1つです。
水のキラキラ感が特に綺麗に鳴らせる部分です。
始めて聴いた時には、ピアノってこんなクリスタルのような音も鳴らせるんだと感動したものです。
一方で、弾く分にはかなりの難所です。
鍵盤のほぼ最右端から始まるので、体勢も厳しいです。
しかも、アルペジオがまたまた不協和音の連続なので、かなり音の把握に苦労します。
さらに、右手と左手が重なり合うので、どちらの手を上にするか下にするかを決めていかなければいけませんし、非常に弾きづらいです。
特に68小節目(上の楽譜の上段)は、指がぶつかり合うのをいかに回避し、弾きやすいフォームで弾けるかを掴むまでに、ものすごく時間がかかりました。
69小節目(上の楽譜の下段)は機械的な動きになるので、少しだけ楽になります。
最終的にはすごく速く弾く箇所ですが、1つ1つの粒をそろえて雑にならないように、ゆっくり練習からしっかり仕上げたいところです。
右手の奇数のアルペジオと左手のリズム合わせ、手の交差(81〜82小節目)
ここが地味に難易度の高い箇所です。
最後までしっかり難所を作ってくれるラヴェルさんです😅
聴いた感じでは、ひたすら綺麗に緩やかにエンディングに向かっているかと思いきや、81小節目(上の楽譜の上段)だけでも以下の難しいポイントがあります。
- 右手のアルペジオの音数がここから奇数になっていて均等に割れないので、左右のリズムを掴むのが大変
- 左手の和音は2つに分けて押さえるので、タイミングが難しい上に、メロディーを響かせることまで考えなければいけない
- 右手のアルペジオが独特の難しい指の広げ方をしなければならず、ミスタッチを招きやすい
この部分にはすごく苦労し、右手の奇数の音数のアルペジオと左手の和音の合わせ方が、模範演奏をしこたま聴いてもなかなか理解できませんでした。
ところが、ある程度の速度で弾けるようになると、なぜかリズムの合わせ方のコツが掴めてきて理由もわからず解決しました。
おそらく、ポリリズムっぽくなっているんだと思います。左手の音の挿入箇所は結構アバウトです😅
先生に習っていれば奏法をしっかり教えてもらえたんでしょうが、私は独学なので、できるようになった理由は説明がつかないのですが、結局感覚で弾いてしまっています。
こういう時に、やっぱり先生についてしっかり習いたいなと思ってしまいますね。
あと、81小節目(上の楽譜の下段)に入る部分も地味に難しいです。右手のアルペジオのフォームが急に切り替わるのと、手が交差するのが合わさって、余裕がなくなります。ここは、エンディングへ向かって流れるように綺麗に弾けないと間違いが目立ってしまう危険なところです。
ここも、部分練習あるのみですね💪
最大の難関は譜読み
細かい難所は、記事に書いたものだけでなく、たくさんありますが、38〜48小節目と53〜61小節目が一番難しいと感じました。
それでも、振り返ると、私にとっての最大の難関は譜読みでした。
元々、譜読みが大嫌いなのもありますが、加えて近現代作家の曲に取り組んだのが初めてということもあり、地獄としか言いようがありませんでした。
この曲に取り組み始めている方の中で、譜読みで挫折しそうになっている方もおられると思いますが、諦めないでください。
私は譜読みがすごく遅くて苦手で、もし譜読みだけのクラスがあるとしたら、おそらく成績はビリに近いと思います。
そんな私でも、どうしてもこの曲を弾いてみたい、譜読みを終えるまで絶対に諦めないという気持ちで、毎日少しずつ、ひたすら続けていたら、気がつくと何とかなっていました。
ただし、時間をどれだけかけられるかと根気の勝負なので、それは覚悟しておいたほうがいいでしょうね。
仕事などで忙しい人は、毎日10分でも気長に継続することが必要になります。
どんなかたちでも、とにかく継続さえできればきっと弾けるようになると思います。
譜読みが終わったとたんに、反動でメチャクチャ練習が楽しくなりました。
私のピアノ歴の中で、譜読みを終えた開放感がこれほど大きかったことはありませんでした。
確かにテクニック的に難しい箇所は盛りだくさんではありますが、その部分練習すら楽しいんです。
この曲の音のキラキラ感が本当に大好きなので、音の響きを自分自身の演奏で感じられるのは至福の時です。
下手な演奏でも、この曲を弾くことで自分への癒しになっているので、毎日欠かさず練習しています。
現在は、難所の部分練習をしつつ、全体の完成度を上げているところです。
自分である程度納得できるところまでできた時には記念にYoutubeにでもアップできればいいなと思っています。