ここ1年の物価の上昇は恐ろしいくらいですよね。
我が家の収入は変わらないのに物価だけ上がってしまい、どんどんお金が溜まりにくくなるばかりで、やりくりが大変な毎日です。
こんなにインフレになっていなかった頃は、ミニマリストを目指して断捨離に励んでいましたが、最近は断捨離は一旦中断しています。
今回は、私がどういう経緯で断捨離を中断するに至ったかについて書きたいと思います。
手放したものは同じ値段で買い戻せない時代になった
私の場合、ミニマリストを目指してはいたものの、そもそも断捨離が大の苦手でした。
捨て活は少しずつやってはいましたが、ミニマリストの人に比べれば捨てる量は微々たるものでした。
それでも私としては、かなり勇気を出して捨てたり売ったりした物はありました。
ところが、その売ってしまったもののうち、コートを例にあげると、同じブランドのコートの最近の価格をみてびっくり!
なんと、倍くらいになっていました😱
それを知って、手放したのをメチャクチャ後悔しています。
もちろん、インフレだけではなく、ブランド力がアップしたことなどもあるのかもしれません。
今後は、同じ値段で買える日は、二度と戻ってこないと思います。
後悔している理由としては、価格だけでなく、ほとんど流行に左右されないデザインだったこともあります。
まだまだ着れたのに、あまり着なくなったから、ときめかなくなったから(コンマリ風w)という理由だけだったんです。
特に服の場合でいうと、同じ値段でも、昔は品質がすごく良かった気がします。
例えば、日本製の服は、今では高級品に入ってしまうかもしれませんが、昔は結構多かったと思います。
最近の服は、中国製はもちろんのこと、バングラデシュ製やベトナム製なども増えてきました。
しかも、生地はなんだか薄くペラペラしてきてるし、天然素材だけのものはすごく減って、合成素材のものばかりです。
こんな感じで、同じ品質のものを買おうと思えば、倍くらいになることもしばしば、同じ値段では品質の落ちるものしか買えないということになっています。
今までは、「1年着なかったり使わなかったりするものはもう出番はないから手放すべき」とか「もし同じものを使いたくなってもまた買い戻せばいいだけだから、とりあえず捨てるべき」とか言われていて、とにかく捨てることが正義という印象が強かった気がします。
でも、今後もしばらく続きそうなインフレ時代には、これまでと同じ基準で手放すと、後悔する人が増えるのではないかと思います。
手放さずに持っておいて良かったもの
最近、私の持ち物の中でも、価格が爆上がりしていて、びっくりした物があります。
その1つが、タトラスのダウンコートです。
今から10年くらい前に購入したもので、以前は「サリン」(怖い名前ですねw)というモデルでした。
現在は、後継モデルで「ポリテアマ」というものになっていますが、デザインはほぼ同じです。
どちらもタトラスを代表する人気モデルで、ブランドの中では比較的安いモデルだと思います。
このコートは本当に暖かくて軽くて、スッキリスタイル良くみえるデザインで、すべてにおいてメチャクチャ優秀で、一生着続けたいくらい気に入っています。
私が買った10年前の「サリン」は、ネット購入で54000円でした。
現在、楽天で売っている「ポリテアマ」は、ネット購入では、店舗によってかなり違いますが、100000円前後です。
つまり、倍近くの価格になっています。
実はこのダウンコートは、雪の日に転んでしまい少し擦れていたり、他にもあちこちに細かい傷をつけてしまっているので、買い換えようかと迷っていました。
ところが、この価格を見てびっくりして、何とか着られるうちは大事に長く着ていこうと考えを変えました。
流行に左右されないものは、長持ちさせるほどコスパが上がっていきますからね。
ただ、価格は以前より高くなっているものの、他の高級ダウンブランドよりは安いですし、今でもコスパはかなり良い方なのではないでしょうか。
もう1つは、濱野皮革工芸のバッグで「クラッシーアーバントート」です。
こちらも、10年ほど前に購入したのですが、購入履歴を調べると当時は44100円でしたが、現在はなんと81400円になっています。
こちらも倍近くになっていますね。
ただ、この商品は、インフレ前から少しずつ値上げが続いていたので、ブランドの格上げや、材料費の高騰など、複合的な理由があるのかもしれません。
実は、このバッグも、リタイア後は出番が少なくなったので、一時期手放そうかと思っていました。
でもびっくりするほど値上がりしているのに気づいて、もしまた欲しくなっても買い戻せない値段なので、持っておくことにしました。
流行に左右されないデザインですし、品質も良いので、資産価値があるとも思ったからです。
この2つは、特に目立った例です。他の物も、価格の大小はあれど、ほとんどが値上がりしています。
特に、こういう流行に左右されない、それでいて人気のある物は、断捨離は慎重にした方がいいと思いました。
現時点でも、手放さなくてよかったという気持ちは変わりません。
そもそも、購入するときには迷いに迷って、買ってからも大事に使っていた物を、簡単に手放すのは間違っているのかもしれないと思うようにもなりました。
無理に捨てても空きスペースは劇的には増えない(私の場合)
ミニマリストが部屋を紹介する動画などをよく見かけますが、物がほとんどなくて、生活感が感じられない部屋なんですよね。
確かに、モデルルームのようにすっきりはしているんですが、汚部屋の私にとってはどう頑張っても到達できない部屋です。
まぁ、動画撮影のために綺麗にしているのだとは思いますが。
でも、私はそこまで物を減らす必要性を感じないんですよね。むしろ、物がなさ過ぎて落ち着かなくなりそうです。
ミニマリストになれない言い訳のようですが、物を減らすことが第一の目的になってはいないかと思ってしまうのです。
私が目標としているのは、生活の効率を妨げず(見当たらない物を常に探してしまうのを防ぐことなど)、好きな物だけに囲まれた心地の良い空間を作ることです。
ですので、それが叶えられていれば、多少物が多くてもいいかな、と思っています。
メルカリやブランディアで不用品を売ったり、捨てたりして、部屋の状態もかなりマシにはなったのですが、ミニマリストには程遠い状態です。
そして、断捨離をしていて気づいたのですが、チマチマと捨てていても、空きスペースは劇的には増えないということです。
例えば、極端な話、服を10枚捨てたところで10センチくらいの幅のスペースが減るだけですよね。
よくある断捨離の動画では「まだ使えるのに捨てるの?」「捨て方が大胆すぎる!」「もったいない!」と突っ込みたくなるくらい捨てているので、見ていて気持ちが落ち着かなくなります。
でも、それくらい大胆に捨てていかないと、空きスペースは全然増えません。
私には大胆にバッサバッサと捨てていく勇気はないので、無理に気持ちを奮い立たせてまで捨てる意義があるのか?と思ってしまうわけです。
ですので、空きスペースに劇的な変化が出せないのなら、それほど捨てることに執着する必要もないという結論に達してしまいました😅
とはいえ、私が物を減らす努力を全くしていないわけではありません。
私が断捨離の一環として唯一実践しているのは、物を1つ購入したらその代わり不要になったものを1つ捨ててプラスマイナスゼロにすることです。
当然ですが、これを実践し続けていれば、物の量は減りませんが増えることはありません。
インフレ時代は、「買わないこと」に注力する
ミニマリストの人たちがよく言う掟として、「1年使わなかったものは、今後も使うことはないので捨てる」というのがあります。
一時期、真剣に断捨離に取り組んだときに、それを真に受けて捨ててしまい、メチャクチャ後悔している物がいくつかあります。
捨てて後悔した物に共通するのは、流行に左右されず、現在でも価値が下がっていない物です。
こういう物は、何年も経ってから活躍する可能性は残っています。現に、今使ってみたいと思っていますから。
もちろん、今後も絶対に使う予定がないと確信を持てる物は、キッパリと捨ててしまっていいのですが、また使いたくなったら買えばいいと気軽に捨てるのはインフレ時代にはお勧めできません。
断捨離のハードルを上げて、大胆に捨ててしまうのは、今の時代にはあまり適していない気がします。
それよりも大事なのは、物を気軽に「買わない」「増やさない」ことだと思います。
ミニマルな生活を目指すのに必要なのは、捨てることばかりではないですよね。
インフレ時代には、捨てることは少々リスクが高いですが、買わないことのリスクはゼロです。
買わないことを心がけると、節約になるのはもちろん、本当に必要な物を吟味するようになります。
ただ、ずっと迷っていて買えずにいて、いずれは買いたいと思っている物があれば、すぐに買ってしまった方がいいかもしれません。
「今日が一番若い日」とよく言われますが、インフレ時代では「今日が一番安い日」になる可能性は大ですので、早く買うほどお得には買えると思います。
目まぐるしく変化する世の中、消費行動も柔軟に変えていく
「失われた30年」の間は、物価は変わらないどころか、デフレになっていました。
価格が全く変わらないことが当然のように慣れきっていましたが、昨今のインフレで、同じような消費行動をするのは難しくなっています。
そのため、物を気軽に買っては捨ててを頻繁に繰り返して回転させていく時代ではなくなってきたと感じます。
今後は、持っている物を大事に長く使っていき、新しい物はできるだけ買わず、買うとしても慎重に吟味しまくって買うスタイルになりそうです。