先日、都内某所で、グランドピアノの練習室を借りてみました。
家には電子ピアノしかなく、グランドピアノでもちゃんと弾けるようにしておきたいなとずっと感じていたからです。
今回は、実際に借りてみてどんな感じだったかをご紹介します。
初めて練習室を借りた理由
ピアノを再開して2年が過ぎましたが、独学なので家の電子ピアノでしか練習してきていませんでした。
4歳から14歳まで、人生で一番しっかり練習していた頃のピアノは、実家のアップライトピアノでした。
その後、高校受験や大学受験でピアノをやめていたのですが、大学生の頃に再開してから20代後半頃までは、いつでも気兼ねなく練習できるよう電子ピアノを買って、ヘッドホンで夜に練習することがほとんどでした。
そして再び25年のブランクができ、50歳を過ぎてからピアノを再開したのをきっかけに、古い電子ピアノから新しい電子ピアノに買い換えました。
グランドピアノのタッチに近いとのことで、カワイのCA701を選びました。
音もタッチも、そこそこ満足していました。
ただ、他の場所などで弾くこともなく、ずっと電子ピアノしか弾いていないと、はたして生のグランドピアノでちゃんと弾けるのかが不安になってきました。
SNSで、家に電子ピアノしかない人が、練習室を借りてグランドピアノで練習しているというのをよく見かけたので、私も時々はそういうものを利用してみたほうがいいかも、と思い立ったんです。
ピアノ練習室の様子
ピアノの練習室は、出かける予定のあった日に、その出先の近くにあるスタジオを探して借りました。
自宅から歩いて行けるところにあればいいのですが、全くないんですよね。
都内に電車で行くところにしかないので、出かけるついでに立ち寄れるところを探したというわけです。
練習室はネットで会員登録して簡単に予約できました。
私が借りたのは都内のそこそこ大きめのスタジオで、グランドピアノ付きの練習室のほかに、バンドの練習室もありました。
ピアノエリアには7台(7室)あり、ピアノの種類別に価格設定されています。
私は中間グレードのYAMAHA C3Xの練習室にしました。
1時間で1500円です。都内の相場では若干安めではないかと思います。
初めての練習室で、ドキドキしながら入室しました。
グランドピアノを弾くのは、30年ぶりくらいでワクワクしました。
ツヤツヤで光沢のある黒いグランドピアノはやっぱり見ているだけでうっとりします。
家で防音室がある部屋で思いっきり弾ける環境があればいうことなしなのですが、現時点では夢のまた夢ですね。
この歳ですが、グランドピアノを買いたい!と毎日妄想してます😅
そして、1時間しか借りていなかったので、早々に練習を始めました。
ところが、ピアノがひどすぎました。これはかなりショックでした。
まず、狭い防音室なので仕方がない面はありますが、音が跳ね返りすぎて、頭がクラクラするくらいキンキン響いて辛かったです。
さらに、それよりも辛かったのが、調律が全然できていないことでした。2週間前に調律済みと書いてあったのですが、絶対ちゃんとやってないだろって思いました。
ピアノ自体もかなり酷使されてきたようで、ガタがきていました。
その時は「水の戯れ」を練習していて、この曲はソフトペタル(左端のペダル)を多用するのですが、全然効果が出ない上に、ソフトペタルを踏むたびに鍵盤が傾いたんです。なんだこれ?って驚きました。
音は反響しすぎるし、調律はできてないし、ペダルと鍵盤はガタついてるしで、ガッカリでした。
これでは、ピアノ練習室を借りる意味がありません。
もし、この練習室が良ければ、店名を出しておすすめしようと思っていたのですが、このような状態だったので、それはできなくなりました。
今後も、この練習室を借りることはないでしょう。
YouTubeにそのときの動画をあげてみました。
よろしければご覧ください。
自宅の電子ピアノ(カワイのCA701)とグランドピアノとのタッチの比較
このように、ピアノ練習室のピアノはガッカリだったのですが、1つ収穫がありました。
それは、タッチの比較ができたことです。
自宅のCA701と、練習室のヤマハC3Xの比較ですが、タッチに関しては、CA701のほうが若干重く感じるほどでした。
私が一番心配していたのは、電子ピアノの方がタッチが軽いのではないかということでした。
一般的にも、デジタル鍵盤はグランドピアノより軽いイメージがありませんか?
でも、練習室のピアノを軽く感じたくらいなので、タッチだけでいえば、自宅のCA701で全く問題ないということがわかりました。
日頃の練習でしっかりした指を鍛えられる環境はすごく大事だと思っていたので、今後の家の練習でも不安を感じる必要はなさそうです。

電子ピアノの練習で気をつけること
タッチについては問題はないという確認はできたわけですが、音の強弱のコントロールのしやすさについては、やはり生のグランドピアノのほうが優れていると感じましたので、定期的にチェックする感覚で触れてみる必要はあるかなと思いました。
久々に、生ピアノを弾いてみて改めて気づいたのは、音量の違いが圧倒的だということです。
やはり、どうしても電子ピアノは生ピアノのような迫力のある音は出ません。
その違いをできるだけ小さくするためにも、電子ピアノで練習する際に気をつけたいのは、音量を小さくして練習しないことです。
音を小さくして練習する習慣がついてしまうと、生ピアノで演奏するときにあまりの音量の違いにびっくりして、うまく弾けなくなってしまうんです。
YouTuberのピアノの先生が話していたことですが、いつも電子ピアノの音量を小さくして練習していると、音量のレンジ(幅)も小さくなってしまうので、強弱をコントロールして弾く力が身につかなくなってしまうそうです。
ですので、音量を大きくして弾けない環境である場合は、小さくするのではなく、ヘッドホンをつけて大きな音で練習するべきだそうです。
その音量の目安としては、最大音量の4分の3くらいだそうです。最大音量でもいいそうですが、半分以下にしては絶対ダメだそうです。
私は以前は半分以下の音でヘッドホンをせずに弾いていたのですが、それはやめてヘッドホンをつけて練習するようになりました。
大音量で練習するためのヘッドホンは開放型のものがおすすめです。
私は密閉型のヘッドホンしか持っていなかったので、すぐに買い換えました。密閉型は耳にキンキン響いて辛いんですよね。
開放型のヘッドホンは、少し音漏れはしますが、耳への負担は劇的に減りました。

良いピアノ練習室探しは続く
というわけで、初めてのピアノ練習室体験は、失敗に終わりました。
他のピアノ練習室は経験がないのでわかりませんが、1時間に1500円払うわけですから、最低限のピアノのクオリティは保っていてほしいと思います。
家の電子ピアノの練習では足りない部分を、確認したり調整したりするためにピアノ練習室を借りるのに、ピアノの状況が悪すぎたら借りる意味が全くありません。
恐らく、他にはもっと良い練習室があると思いますので、いくつか試してみて、気に入ったところを見つけたいと思います。
おすすめの練習室が見つかったら、また紹介したいと思います。
家の近くで歩いて行けるところには練習室がないので、電車で通うことになり結構負担になります。
楽器の練習というのは、何にしても苦労がつきものですね。
やっぱり、家にグランドピアノが欲しい!とつくづく思います。
いつか叶うといいのですが…。