私は現在、ラヴェルの「水の戯れ」に挑戦中です。自己満なだけなのですが、かなり弾けるようになってきました。
でも、こういう難易度の高い曲を残りの人生で何曲弾けるのだろうか、と焦りも感じ始めました。
50代のうち、もしくは長くて健康寿命のうちに、無理にでも難易度の高い曲に挑戦しておきたいという気持ちが大きくなってきました。
だからといって、難しい曲は今からではそう多くは取り組むことはできません。
難易度の高い曲だからこそ、まずは好きな曲であることは大前提で、かつ最後まで諦めずに取り組める曲を厳選する必要があります。
そこで、現時点で私が取り組みたい難易度の高い曲を10曲をあげてみたいと思います。
ピアノ曲の難易度偏差値
以前に、別記事にも挙げていましたが、ピアノを再開してから色々聴いているうちに、弾きたい曲がさらに増えて困っています😅
下の記事をご参照ください。
-
50代の趣味ピアノ(中級以上)で挑戦したい難易度の高い曲5選
ブランク25年の趣味ピアノ再開組です。年齢的なこともあり、難曲に取り組める時間も限られています。というわけで、ピアノの先生方からはお勧めされないとは思いますが、いきなり難曲に取り組んでおります😅 今取 ...
続きを見る
今さらながら、結構ベタな選曲でした。どれも大好きな曲ではありますが…。
そもそも、すでにこの選曲から逸脱して、「水の戯れ」を仕上げていますし、新たに挑戦しているのが、カプースチンの「トッカティーナ」です。
「トッカティーナ」については、また別の記事で詳しく書こうと思いますが、やっと譜読みができたところです。
譜読みは「水の戯れ」よりは若干簡単でしたが、かなり大変な部類に入りますね。
「トッカティーナ」は、ジャズとクラシックが融合した、とにかくカッコいい曲です。早くナチュラルスピードで弾けるようになりたいです。
ところで、ピアノ曲の難易度偏差値というものが2ちゃんねるで作られていたそうです。
それをきれいにまとめている方のブログがありました。
元が2ちゃんねるですから、信憑性は定かではありませんので、参考程度にされたほうがいいとは思います。
でも、いくつか少し納得いかないところもありましたが、概ね妥当な感じはしました。
私がピアノを再開して挑戦してきた偏差値レベルは、一番高いものが「水の戯れ」の66ということになりました。
「英雄ポロネーズ」と「トッカティーナ」は65、「革命のエチュード」は60、「幻想即興曲」は55でした。
こうしてみると、私の現在値は66ということになります。
ただ、つっかえながらなんとか弾けるとはいえ、かなり無理しているレベルです。
どこまで難易度の高い曲に挑戦するか
現在、ピアノを再開して2年弱になりますが、ほぼ形になっているのは3曲のみです。
当初の予想通り、やはり1年で1〜2曲というペースになることがわかりました。
簡単な曲であれば、もっと数がこなせるとは思うのですが、自分の実力よりも少し上の曲を選んでいるので、どうしてもこのペースになってしまいます。
でも、やはり気力体力があるうちに、後悔のないよう弾いてみたかった憧れの曲に取り組みたい、という気持ちは変わらないので挑戦し続けます💪
そこで、最終的にどこまで難しい曲に挑戦したいかを考えたところ、無謀にもラヴェルの「スカルボ」が候補にあがりました。
色々な記事でも取り上げられる、最も難しいピアノ曲TOP10の常連です。
この曲を弾けるようになるのは無理かもしれませんが、最終到達目標としてあげてみました。
難易度の高い曲の選曲条件
今回は10曲あげていくのですが、以前の記事から選曲のポイントをバージョンアップしました。
選曲のポイント
- 難易度が上級であること(全音ピアノピースFランク、もしくは2ch難易度偏差値65以上)
- 比較的ポピュラーで知っている人が多い曲であること
- 演奏時間が10分以内であること
- 華やかさ、派手さがあること
- 極端な技巧が必要でないこと
- 手の大きさとパワーが両方同時に求められないこと
変更点は、レベルを上げたこと、演奏時間を10分までに増やしたことです。
さらに、同じくらいの難易度であっても、苦手な要素があるものを省くポイントを加えました。
「極端な技巧」というのは、3度進行があったり(ショパンエチュード25−6など)、長い連打があったり(ラヴェルのトッカータなど)など、私個人の苦手要素があるものは除外しました。苦労が多い割に報われない感じが辛いですからね。
「手の大きさとパワー」については、どちらか一方であれば何とかなりそうですが、両方を求められると物理的に厳しいものがあり、どう頑張っても良い演奏には辿り着けそうにないので、これも除外です(リストの「マゼッパ」など)。
50代のうちに取り組みたい難曲10選(難易度順)
以前に挙げた5選のうち、難易度偏差値が65以下だった、「幻想即興曲」と「革命のエチュード」は今回は省くことにしました。
65以上で現在取り組んでいるものを含めて選曲してみました。
ショパン:英雄ポロネーズ
難易度偏差値は65です。
この曲はピアノを再開して上記の2曲に次いで取り組んだ曲です。現時点で譜読みをスタートしてから約1年半になりました。
とりあえず一通り弾けるようにはなりましたが、まだまだ完成度が低い状態です。
現在は、暗譜を頑張っています。この曲は譜読みはそれほど難しくはなかったのですが、暗譜がこれほど大変とは気づきませんでした。
左手の和音が、どうしても覚えられなくて、しょっちゅう頭が真っ白になって譜面を見直しています。
やはり、複雑な和音の連続する箇所が多いのが、暗譜が難しい原因だと思います。
ピアノを再開した時に、まず弾いてみたかった憧れの曲なので、暗譜を完璧にして、人前でも弾ける状態まで仕上げていきたいです。
カプースチン:トッカティーナ
難易度偏差値は65です。
現在、やっと譜読みを終えた曲です。「水の戯れ」に次いで譜読みの大変な曲でした。
毎日15分づつ譜読みをして、3カ月くらいかかりました😅
初めて聴いた印象では、ほぼジャズ?と思ってしまうくらいなのですが、一応クラシック枠です。
昔、少しジャズピアノをやっていて、ジャズはかなり好きなので、聴いた瞬間に自分の好みにドンピシャな曲!と思い、早速楽譜を買いました。
両手の動きが交互に入り組んでいて、跳躍も激しく、複雑な和音が連続する上にテンポが速いので、技術的にかなりの難曲です。
加えて、ジャズ的なリズムの取り方も必要になってくるので、クラシックピアノだけをやってきた人には、さらに難易度が上がるかもしれません。
これをナチュラルスピードで、ジャズのリズム感をもって弾けたら、かなりカッコいいと思います。
スクリャービン:エチュード Op.8-12 嬰ニ短調「悲愴」
難易度偏差値は65です。
すごくドラマチックなメロディーが印象的で、これまた聴いた瞬間に弾いてみたいと思った曲です。
いい意味で大仰なメロディーが、サスペンス劇場のBGMとかに合いそうな感じもします😆
短い曲ですがダイナミックで演奏効果は抜群です。
なかなかの難曲ですが、短い曲なのが挑戦するにも少しは救いですね。
重音が多く、かなりパワーを要する曲でもあります。
私が現時点で次に挑戦する予定の曲です。
ラヴェル:水の戯れ
難易度偏差値は66です。
最近ようやく通して弾けるようになった曲です。
とにかく譜読みが大変な曲なので、そこで挫折してしまう人も多いかもしれません。
ただ、譜読みを乗り越えれば、半分は完成したと思っていいのではないかという印象を持っています(素人の感想ですが)。
ロマン派までの曲とは違う難しさがあるとは思いますが、そこもまた魅力の1つです。
ピアノがこんな音を出せるのかと再発見しました。
技術的に難しい要素がてんこ盛りですが、それだけでない高い表現力も求められる曲です。
大好きな曲なので、毎日部分練習しながら完成度を上げていきたいと思っています。
ベートーヴェン:熱情(ピアノソナタ第23番ヘ短調) 第3楽章
難易度偏差値は67です。
この曲は前回も選曲していましたが、やはり変わらず、ベートーヴェンの中では一番弾いてみたい曲です。
選曲がどうしても華やかなロマン派とか近現代ものが多くなりがちなので、古典派代表として1曲は入れておきたいと思いました。
古典派には入りますが、重厚でありながらも華やかで疾走感もあるので、こちらも他の曲同様、演奏効果は非常に大きいです。
ショパン:バラード 第1番 ト短調 Op.23
難易度偏差値は67です。
ショパンのバラードは、クラシックピアノをやっている人であれば、誰しも一度は弾いてみたいと思うのではないでしょうか。
中でも最もポピュラーなのがバラード1番です。難所がかなり多く、パワーも必要な曲ですが、すごくドラマチックで素敵な曲なので、挑戦のしがいがあります。
演奏時間が10分くらいになりますので、取り組むのにも気合いがいる曲ですが、いずれは必ず挑戦したいです。
リスト:ラ・カンパネラ
難易度偏差値は68です。
言わずと知れたリストの名曲ですね。
あまりに有名なのもあって、こういう曲は演奏の未熟さが目立ってしまうので最後まで迷いましたが、クラシックピアノをやるからには、一度は挑戦してみる価値はあるかなと思い、選曲しました。
私はなぜか、リストに縁がなく、未だに弾いたことがありません。
難しい曲が多いのもありますが、リストの曲にあまり好きな曲がなかったのも理由の1つです。
ラ・カンパネラも正直なところ、それほど好きな曲でもないので、もしかすると今後この10選から外すかもしれません。
ラフマニノフ:楽興の時 ト短調 Op. 16-4
ここからの曲は、難易度偏差値は69と、チャレンジングなレベルになってきます。
昔から、1曲は憧れのラフマニノフを弾いてみたい、という思いがありました。
ただ、ラフマニノフは大曲だったり、難解でメロディーが掴みにくいものが多く、選曲にはかなり迷いました。
色々聴いたなかで、私でもメロディーを掴めて、かつ弾いてみたいと思える曲がこの曲でした。
ラフマニノフらしい重厚感がありつつも、疾走感があり、ドラマチックなメロディーで演奏映えする曲です。
楽譜をみた感じでは譜読みまでは何とかなりそうですが、実際に弾いてみないとわかりませんね。
ショパン:エチュード集 第4番 Op.10-4 嬰ハ短調
難易度偏差値は69です。
エチュードではありますが、華やかでカッコいい曲で、演奏効果も十分あります。
でもどちらかというと、テクニック中心の曲で、それほど表現力が求められる感じではないかなと思います。
ただ、そのテクニックは非常に高度なものが求められます。
恐らく私が挑戦できるテクニックの限界点で、私の技術では完璧に弾きこなすのは無理かもしれません。
この曲には、色々なテクニックの要素が含まれているので、しっかり練習すれば演奏技術全体のレベルアップにもつながると思います。
ラヴェル:夜のガスパール「スカルボ」
難易度偏差値は驚異の82です😱
大学でいえば、東大レベルでしょうかね😅
先ほども書いたように、現在「水の戯れ」に取り組み中なのですが、それの一環で、ラヴェルのピアノ曲を聴きまくっているなかで、「夜のガスパール」の魅力にどっぷりハマってしまいました。
特に「スカルボ」は、初めて聴くと少し戸惑うような曲ですが、繰り返し聴くうちに味わい深くなる不思議な曲です。
私は、どちらかというとマイナーコードの曲が好きなので、この曲の陰鬱でありながら、奇抜で時々ユーモラス、かつ豪華絢爛な曲調は自分の好みにピッタリくるんですよね。
とはいっても「スカルボ」の難易度偏差値は、今の私のレベルからすると20近くも高いので、無謀すぎます。
ラヴェルが作曲当時、世界一難しい曲といわれていた「イスラメイ」よりも難しい曲を目指して作ったともいわれれているので、その難易度は想像がつきます。
私がよく聴いているラヴェルのアルバムのピアニスト務川慧悟さんはXで次のようにポストされていました。
「イスラメイは一般的な人間の手の限界をギリギリ越えてしまっている(だから弾く時はどうしてもちょっと誤魔化す)、スカルボはその意味では自己の手の動きに対し完璧な自覚を持ってさえいれば無理なく弾ける。ということでこの2曲を、僕は自分の思うピアノ技術の限界線の話をしたい時よく例に出す。」
つまり、「イスラメイ」はギリギリ人間の限界超え、「スカルボ」はギリギリ人間の限界内、という一流ピアニストの説です。
難易度は、弾き手の得手不得手があるので、もちろん一概にはいえませんが、挑戦できる可能性はありそうな気がしてきました。
一流ピアニストと同じ土俵で話すんなっていわれそうですが😂
一流ピアニストですら手こずる曲に挑戦するのは無謀とわかってはいるのですが、死ぬまでになんとか形にしてみたいという気持ちがムクムク湧いてきました。
この曲は、完全なチャレンジ枠です。でも、チャレンジする権利は誰にでもありますよね。
この曲を通して弾けるようになるだけでも5年くらいかかりそうですが😨
まとめ
以上、私が向こう50代のうちに挑戦したい曲10選をあげてみました。
私の10選では、難易度偏差値がいきなり「スカルボ」で82まで上がってしまい、70〜80が空洞になってしまいました。
70〜80レベルの曲になると、演奏時間が15分以上の大曲だったり、素人にはメロディーが掴みにくい、ちょっと前衛的な感じのする曲が多くなってしまうんですよね。
平たく言うと、一般受けしない玄人向けの曲ということです。
ですので、私レベルでは弾く価値がないし、誰にどこで聴かせるの?っていうことになるので選びませんでした。
こういった曲はピアニストがコンサートやコンクールで弾く曲ですね。
また、10曲に絞りきれなかった曲が数曲あり、今後入れ替える可能性もあります。
やはり、この年代から取り組める曲は限られているので、その時々の自分の達成度や好みの変化などで選曲し直すことは、どうしても出てくると思います。
その際には、また改訂版10選をアップしたいと思います。
私が、これだけ曲数を絞る理由は、一旦完成させた曲は、その後も継続して練習し、弾けなくならないようにするためでもあります。
せっかく苦労して難曲を仕上げても、全く練習しなければ、すぐに弾けなくなってしまいます。
しっかり自分のものにして、人前でいつでもすぐに弾ける状態を維持していきたいと思っています。
完全に私の独断と偏見の選曲ですが、少しでも参考になれば幸いです。